検査・治療法について
マンモグラフィ

マンモグラフィとは、乳房を透明な板で、斜め左右と上下にはさみ込み、X線撮影をする検査のことです。より診断しやすい写真を撮るために、乳房をできるだけ引き出して薄く撮影します。斜め左右の撮影では、わきの下にがんが見つかることがあるため、わきも一緒にはさみ撮影します。そのために多少の痛みを伴うこともあります。放射線の被爆量は自然界の放射線レベルと同じくらいの低さなので心配ありませんが、妊娠初期の方は念のため撮影を受けないで下さい。
マンモグラフィはしこりの形を写し出すとともに、「石灰化」と呼ばれる、しこりとして手に触れないような早期のがんも確認できます。しこりの場合はウニのとげのような突起(スピクラ)があったり、しこりの中に、白い点が集まった「微細石灰化」が見えたりすることがあります。しかし、石灰化とはマンモグラフィ上真っ白にみえる影で、何らかの原因で乳房の一部にカルシウムが沈着したものです。大きく目立ってみえるものは良性のことがほとんどですが、小さいものがたくさん集まっている場合には悪性を考えることになります。石灰化は乳腺症などでも見られ、専門医によって悪性でないことを見極める必要があります。
マンモグラフィをみてどれくらいがんを疑うかの指標としてカテゴリー分類というものがあります。乳がんの病期分類と混同しないようにして下さい。検診結果通知にカテゴリー3と書いてあったら、異常のないことを確認するために精密検査を受けに行くつもりでよいですが、カテゴリー4または5と書いてあったら必ず精密検査を受けて下さい。

マンモグラフィーカテゴリー分類
カテゴリー1
  ・異常なし
カテゴリー2
・良性病変のみ
カテゴリー3
・がんを否定できず
(がんの確立は5~10%)

カテゴリー4
・がんの疑い
(がんの確立は30~50%)
カテゴリー5
・マンモグラフィ上はがん
(がんの確立はほぼ100%)